天木直人『さらば外務省!:私は小泉首相と売国官僚を許さない』講談社 2003 ISBN:4062121093

うーん、微妙。
言いたいことは分かるし、頷ける。この手の官僚暴露物の常として面白い。しかし、結局個人攻撃に終始して外務省の問題を炙り出しきれていないように思う。
以下、興味をひいたトピック。
ひとつ目。161ページ。ラッセル・カローロ記者がオハイオ州の「デイトン・デイリー・ニューズ」誌に掲載した記事(この記事を元に2000年3月、参院総務委員会で吉川春子議員が質問)。米軍の犯罪件数ワースト1は169件の沖縄米軍。沖縄の倍の海兵隊員がいるカリフォルニア・サンディエゴ基地でも102件。欧米などの米軍基地での犯罪件数と比べ、沖縄での件数は群を抜いて多いこと。やはり在日米軍の犯罪は多かったってことか。
二つ目。181ページ。レバノン大統領に日本に招待すると約束していながら、それを反故にした件。いくらなんでも約束しといてその仕打ちはないだろう。国家元首の顔に泥を塗った上に、悪感情を抱かせてどうするよ。外務省は基本的な外交能力さえ失っているのかと思わされる。