CCCDやWinnyなどコンテンツの保護や流通のあり方について東大でセミナー

カトゆー家断絶さんから)

社団法人音楽制作者連盟顧問の上出卓氏は、最初に日本国内におけるCD売上額がこの5年で約3分の2に減少してしまったことについて触れ、「確かにCDの不正コピーの問題は見過ごせないが、問題はそれだけではない。携帯電話の普及などエンターテイメントが多様化していることに加え、音楽業界がなまけているためにユーザーの嗜好の変化についていけていない」とその理由を分析。一方で日本音楽著作権協会JASRAC)の著作権収入は、着メロ、着うたや演奏権収入の増加を背景に右肩上がりで伸びていることから「ユーザーの音楽離れが進んでいるとはいえない」と現状をまとめた。

今川氏は「以前総務省で放送行政に携わっていたとき、放送番組の権利情報に関するデータベースを構築しようとしたら、業界関係者から『番組が流通する仕組みを作ること自体がけしからん』と反対されたことがある」との裏話を披露。せっかく日本には放送番組などの良質なコンテンツがあるにも関わらず、制作者側がそのコンテンツを積極的に流通させようとしないため、そこから収入を得るチャンスを逸し、コンテンツ産業全体における大幅な輸入超過を招いていると指摘。

不正コピー問題については、いわゆるCCCD問題について上出氏が「受益者としての消費者を軽視しすぎたための悲劇だ」との認識を示した。上出氏は「すでに着メロや着うた、DVD-AudioSACDにはコピーコントロール機能が入っているが、消費者はそれを受け入れている」と述べた上で、「たまたまCDに関しては、消費者がそれ(コピーコントロール機能の存在)を予定していなかったのに強引に導入してしまったのがミスジャッジとなった」と説明。「消費者が楽しむことが次のクリエーションにつながるということを意識しなければならない」「消費者がCDに対して持っているイメージを崩してはならないというのが教訓になったのではないか」と、ビジネスの観点からの規制が先走ることの危険性を語った。

このあたりが興味あるところ。
結局、メディア側の怠慢はかなり大きいということ。需要に対して供給側の感性や対応がついていっていないのが問題ではないか。
また、最後のCCCD問題に関して。DVDなどに対するコピーコントロール機能が消費者に受け入れられているというのはどうだろう。確かにCC問題CDやテレビのコピーアットワンスなどもともと管理が緩かったもののほうが反発は強いだろうが、このあたりに関してあっさり断言してしまっていいのだろうか。