- 作者: 平間洋一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2003/05
- メディア: 単行本
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作戦計画や機密保持、アメリカの情報活動の部分が面白かった。また、大和の作戦行動の章では、日本海軍の戦艦の使い方がへたくそだったと感じた。
エピローグでは、航空主兵論と戦艦重視の考えの論争を概観し、戦艦無用論に疑問を投げかけている。確かに航空主兵論も極端であり、バランスの取れた戦力という主張は、この問題に限っては妥当な結論に思える。しかし、太平洋戦争全体を見渡すと、本書でも大和がしばしば潜水艦の魚雷を受け修理を余儀なくされているように、潜水艦による攻撃、特に通商破壊によって敗れたという印象が強い。そこまで視野を広げると、結局のところ日本が「総力戦」というものを理解できなかったことが、敗因と思う。ないものねだりだが、そこまで論を広げて欲しかった。
また、エピローグで日本人絶滅論を含む日本人に対する人種偏見について触れられているが、昨今のアメリカの状況(イラクでの行状や大統領選)を見ているとアメリカ人も変わらんなとため息をつきたくなる。