住本優『最後の夏に見上げた空は』メディアワークス 2004

最後の夏に見上げた空は (電撃文庫)

最後の夏に見上げた空は (電撃文庫)



題名をみて衝動買いした作品。個人的にはなかなかのヒット。
一週間卓越した戦闘能力を得る代わりに、17歳の夏に死んでしまう「遺伝子強化兵」。その一人である主人公小谷順子は記憶喪失で目覚め、名門に引き取られ、犯罪を犯した遺伝子強化兵を隔離する学校に入学する。
過去なんらかの事件があったことをにおわせながら、物語は淡々と主人公小谷が、周囲の人々と触れ合い、名門と関係を深めていく様を描いている。雰囲気とすれば、『塩の街』の前半に似ている。また『アンダー・ラグ・ロッキング』に近いものも感じさせる。
私が、このような子犬系というか、そんな感じのキャラクターに弱いのを差し引いても、なかなかいい作品。続きはどうなるのであろうか。