日航トラブル:集客合戦激しく 現場、余裕を失う(情報元:弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 「日々是好日」さん)

http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20050414k0000e040090000c.html定時運行を達成するために、安全がおろそかになったようで。

北海道・新千歳空港で1月22日、管制官の許可を得ないまま離陸しようとした旅客機は、滑走路の除雪作業で35分遅れていた。このケースでも「時間的ストレスが機長らの意識に影響を与えた可能性がある」としている。

とあるくらいだから、現場に定時運行を達成するために、相当圧力がかかったのではないだろうか。
大規模交通機関の最大のサービスは安全に旅客を目的地まで送り届けることであると、肝に銘じるべきだ。一度の事故で、集めた顧客は逃げる。定時運行にこだわるあまり、安全がおろそかになっては意味がない。
全日空を扱った『無事故記録に明日はない』(ISBN:4140800992)には、こんな一節がある。

「誰それが乗るからといって、自信を持って安全だと確認できるまでは、時間どおりに出発させなければならないなどということを考えるべきではない」
「経営者が特別機の遅延を詫びに赴くことは必要だし、経営者としての役目でもあります。
が、詫びて帰社したとき、担当の整備責任者をなじることは、絶対にすべきではありません。むしろ『よくやった』と、その勇気を褒めてやる気持があってほしい。私はそう考えたのです。
なじられた整備責任者が、次に同じような故障が見つかったとき、遅延を承知で出発をとめることにためらいを感じはしないだろうか。これもヒューマンファクターの一つだと思うのです」(p.262)

上層部の安全に対する意識のあり方が航空機の安全を左右すると、日航の経営陣は心のそこから反省してもらいたいところだ。