小林章夫『コーヒー・ハウス:18世紀ロンドン、都市の生活史』講談社学術文庫 2000読了

コーヒー・ハウス (講談社学術文庫)

コーヒー・ハウス (講談社学術文庫)



読了といってもだいぶ前に読み終わった上に、1週間に一回ずつ3週間に分けて読んだものなので、記憶が曖昧。
17世紀後半から18世紀にかけて、イギリス社会で重要な役割を果たしたコーヒーハウスを網羅的に取り扱ったもの。
3章に分けられ、それぞれコーヒーハウスの起源、ジャーナリズムやロイズ保険組合などの出現にコーヒーハウスが果たした役割、18世紀英文学とコーヒーハウスというトピックを扱っている。
近代初期の英国の人のつながりを考える上で、類書もなく、必読文献といえるだろう。文章も読みやすい。
文献案内が充実しているのがうれしい。基本的な文献が網羅してあるようで、コーヒーハウスや初期ジャーナリズムについて知りたい場合に非常に便利である。難を言えば、紹介されている文献が80年代はじめまでであること、本書の原本が84年出版なのでこれはしかたない。