研究の不正行為:相次ぐ論文データ改ざん・ねつ造 モラル頼み、ダメ(情報元:R日記 そのにさん)

http://www.mainichi-msn.co.jp/it/jiken/news/20050615org00m300125000c.html最近の学術研究の競争政策の問題が顕在化したようだ。
昔のような、温室的かつ研究費自体も少ない状況では、モラルによって不正が防げたかもしれない。
しかし、業績によって研究費が増減するだけでなく、研究者の地位そのものも左右されるような時代になれば、モラル頼みでは不正を抑止できるわけがない。今後は日本でも産学協同がすすむため、「資金提供者の圧力で研究方法や結果を変更」という問題も顕在化するだろう。
業績評価の前から、きっちりとした評価法の確立が訴えられてきたことを考えると、今頃問題にしている時点で、反応が遅いのではないかとも思う。


先日の阪大の不正事件の論文責任者の下村教授は、「この4年間に18本の論文(問題の論文を除く)の著者になった」そうだ。
年間に4.5本も書いていれば、無理も出てこよう。
研究室の人間に次々と実験をさせることになる。このような事が起きるのは必然だったのかもしれない。


競争政策のおおもとアメリカでは、この記事によれば、研究者の1/3がなんらかの不正を犯したことがあるそうで。
昔なら真理の探究に従事するものといった聖職意識が不正を抑止していたのかもしれないが、いまや理系の研究者(文系の研究者もかも)は、自営業者に近い存在になっている。
なんらかの「市場」規制が必要な時代なのかもしれない。