「_summer」信乃ルートクリア

といっても、先週の話なのだが。


とりあえず、幼なじみで素直になれない娘さいこー。いつもは主人公に憎まれ口を叩いたり、ぶん殴っている女の子がふと見せる、女らしさとか、自信のなさが、たまらなく可愛らしい。主人公が三国一の鈍感男でなければ、もっと可愛らしさを堪能できたのに。それだけに、告白後の可愛らしさはたまらないものがある。


しかし、このゲームの主人公こと海津匠、なんか最悪野郎なんですけど…
なんというか、鈍感さを隠れ蓑にして、いろいろな悩みを周囲の人間に押し付けてしまっている。小奈美と信乃の間の緊張感。まだ、小奈美シナリオに入っていないので分からないが、小奈美の気持ち。小奈美の気持ちと自分の気持ちの間で板挟みになる信乃。両方見えている治。周囲の葛藤が、プレイヤーには見えてしまうだけに、なんか居たたまれない気分。主人公はそのあいだ、しょうもないことでウジウジ悩んでいるだけだし。
結局、主人公が周囲の人間を異性として意識する、その動機。その部分の検討が甘かったのではないかと思う。いつも一緒にいた幼なじみ4人の関係が再構築される、その動き始め、プロセスの描写が弱いのが問題ではないだろうか。


もう一点気になる点としては、舞台となる成西という町にリアリティが欠けていること。あれだけ古い建物が残っている町なのに、なんというか生活にそれらしさがないというか…
近所の住人相手の店しかないはずなのにスーパーみたいな感覚で買い物をしていたり、周辺の子どもの数が少なそうなのにそこにある学校は中堅マンモス進学校みたいな個性がなかったり。偏見だけど、郡部の学校はもっと殺伐としていそうな気がする。
私自身、県庁所在地に住んでいるので、小都市・町村のリアリティなど分からない。しかし、住民の感覚は確実に都市住民の感覚で、それだけに古そうな建物が立ち並ぶ背景との齟齬が気になる。そもそも外食の店が一軒しかない町だぞ?


いろいろと文句を書いてるが、このゲーム、基本的には気に入っている。Fateクロスチャンネルのような、年間ベスト級には及ばないが、絵はけっこう好きだし、ヒロインは萌える。それだけに、欠点の部分が残念。