今野緒雪『マリア様がみてる:薔薇のミルフィーユ』集英社コバルト文庫 2005読了



しばらくマリ見て時空と波長が合わず、積読状態になっていたが、やっと読了。
黄薔薇パニック」は実に楽しい一作であった。あの由乃さんが主導権を奪われて、振り回されるなんて。期待の大型新人登場といった感じか。黄薔薇姉妹は今まであまり目立たないポジションにいたのに、ここに来て舞台の中央に躍り出たようだ。
白薔薇姉妹は逆に、すっかりのほほんとした風情が板についた感じ。
紅薔薇姉妹はなにやら思わせぶりな展開。

「最後に一つだけ。僕を倒したって、君は勝てないよ」
「それは、どういう――」
「僕に嫉妬しているようじゃ、まだまだだってこと。こんな所に留まっていないで、もっと上のステージを目指せよ」

今回出てこなかった瞳子の動静も含めて、今後、祥子と祐巳の関係がどう展開するか楽しみである。