矢野桂司『地理情報システムの世界:GISでなにができるか』読了



具体例をあげて丁寧に説明していくので、いきなりGISに手を出そうという極初心者にとっては、すこぶる便利な本。
私自身にとっても、説明が分かりやすく非常に助かった。特に、ソフトや数値地図の具体的な説明があり、国土地理院発行の数値地図の説明は、今後利用しようとするデータを特定するのに便利だった。
内容は、人間の成長と空間認識から語り始め、地図とは何か、GIS発展の歴史、GISの解説、どんなデータ・ソフトがあるかと続き、その後、具体的なGISの使用例を紹介している。
ベクター地図・ラスター地図の違いを含めて、非常に平易な文章で説明してあり、最初に読む本としてはいいのではないだろうか。


難を言えば、発行年が少々古いこと。といっても1999年出版だが、この6年ほどの間に、ハードの性能・ソフト・インターネットGISなど、いろいろと変化している。。
骨格部分についての変更は必要ないと思うが、ソフトやデータに関する解説などはアップデートする必要があるだろう。
また、第8章「次世代のGIS」のインターネットGISの節などは、電子国土や2万5千分の1地図のネット公開、インターネット上の多数の地図など具体的にいろいろ動いているので、書き直すべきことがたくさんある。
このあたりを修正した改訂版を出版して欲しい。