三野正洋他『兵器ハンドブック:湾岸戦争』朝日ソノラマ読了

湾岸戦争 (兵器ハンドブック)

湾岸戦争 (兵器ハンドブック)



最初の写真ページで、タイコンデロガ級イージス巡洋艦の出港シーンを、「ミサイル駆逐艦」と書いている時点で、信用度がた落ちなんですけど…


内容自体も、それほど深くはない。分析部分で、輸送と特殊部隊を扱っているのはなかなか良いが、情報量が少なく中途半端。米軍の補給についても、ネット上のページ、米軍の輸送・補給システムを読んだほうが、よっぽど詳しい。
後半のフォークランド紛争の解説は、あまり関連の書籍を見かけないだけに、なかなか面白かった。しかし、ここでも微妙に薄さが目立つ。
例えば、「アルゼンチン陸軍の実力」でアルゼンチン陸軍の実力は意外と低かったのではないかと結論している。しかし、孤島に包囲された状態で、かつ連日空爆・艦砲射撃をうけるアルゼンチン兵の士気の状態、両軍の火力、「スコーピオン偵察装甲車」による近接火力支援の効果などを勘案する必要があったのではないだろうか。