長谷敏司『円環少女:1バベル再臨』読了

円環少女 (角川スニーカー文庫)

円環少女 (角川スニーカー文庫)



久しぶりの作品。この人の作品にはずれなし。
小悪魔魔導師メイゼル、女子高生巨乳魔導師きずな以下、主人公側、敵側、魅力的なキャラクターが揃っている(近くに居て欲しくはないが)。年の差カップルは、うまくはまれば、非常に魅力的。あとは、特に《染血公主》ジュルヴェーヌ・ロッソの堂に入った悪役ぶり、エレオノール・ナガンの悲運が印象に残る。
前半のコメディ、中盤の苦悩、終盤のバトルと、安定した物語の運びは、安心して物語に身を任せられる。しかし、一般の人間に見られただけで、魔法が崩壊するというのは、アイデアだなあ。
少し疑問があるとすれば、倉本慈雄が、手放した「鍵」を、いつもう一度手に入れたのかということくらいか。