新しく開館した九州国立博物館に行く。
とにかく人大杉
3階の企画展「美の国日本」展は昼休みの高校の売店みたいな混雑で展示品をみられるような状況ではなかった。4階の文化交流展示室もデパート並みの雑踏で落ち着いて展示品を見られるような環境ではない。
展示品は充実していて、空いていれば、じっくり楽しめただろうが、人ごみに疲れて、かなり早く退散する。大宰府まで手間暇かけて出かけたのに、なんか損した気分。今後、5年間は絶対に行かない。
人ごみにあてられて疲労困憊。大宰府天満宮の周囲を散策するような気力もなかった。


想定外の人数が押しかけて対応できない部分があったにしても、九州国立博物館側にも問題点がいくつかあるように見うけられる。
第一に、展示の動線の設定が良くないこと。展示室をいくつか四角いスペースに区切って、その四周に展示ケースを配置し、スペースの中心に個別にいくつか展示ケースを置くレイアウトが採用されていたが、はっきり行ってあれは熊本の美術館のような比較的観客が少ない館で採用すべきレイアウトである。
少しでも、混雑が予想されるのなら、廊下型の展示スペースを多用し、かつ展示ケースも一方の壁面にのみ配置すべきだろう。
また、同じ入り口から、複数の展示スペースに入れるレイアウト、入り口付近のレイアウトも感心できない。人ごみもあって、どの方向に見ていけばいいのか迷う場面があった。
第二に、あれだけ混んでいる時には音声解説装置の貸し出しを中止すべき。
私は利用したことがないが、音声解説装置を使用しながら展示を見る場合、展示品を見ながら立ち止まってしまう人が多い。
見物人が列をなしているような時には、渋滞を悪化させてしまう。
最後に、修学旅行の学生を博物館に入れるのは勘弁してもらいたい。
人数が多いだけに混雑を悪化させる要因になるし、班ないし個人単位での見学も何人かで騒ぎながら動き回るだけに迷惑極まりない。全部が全部マナーを心得ていないわけではないだろうが、人数が多いと、迷惑をかける人間もそれなりの数になってしまう。
列を組んで静かに見学するのも、それはそれで邪魔だろうし。
はっきり言って、九州国立博物館にはキャパシティ以上の見物客が押し寄せていて、館側が対応しきれていなかった。正倉院展を毎年開催している奈良国立博物館から人を呼んで、雑踏対策を指南してもらうべきではないか。平日でも混みまくりだったのだから、休日などどのような殺人的な混雑になるのだろうか。


後から、出品目録を見ると展示品自体は名品が多く、落ち着いて見られたらと残念。
4階の文化交流展示室も、新安沈船の遺物や円仁の旅行許可証、陶磁器など名品(他館からの借り物が多かったけど)が多数あり、もっと空いていたらとかえすがえすも残念。


九州国立博物館のサイト。
サイトはなかなか良い。収蔵品ギャラリーもあって、情報源としても有意義。