- 作者: 加藤政洋
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2005/10/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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日本の都市の近代化と、それに伴う遊興空間の変遷を扱った書物。
芸妓と娼妓が分離する現在の花街の姿は、一部江戸時代の遊郭を引き継ぎつつ、近代に形成されたものであること。
城下町の施設の再開発、都市人口の増加に伴う市街地の拡大に伴ってできた新しい町の発展のために花街が設置される、「町のインキュベーター」としての性格の2点が強調され、基調とされる。
前半は概観・類型化、後半は東京・神戸・大阪・鹿児島の実例が紹介される。
本書は、花街を地理学の空間論の視点から検討したものであり、その点、少々その癖に慣れていないと読みにくい。三日ほどで読めるかと思ったが、一週間近くかかってしまった。
だが、それだけの価値のある興味深い本であった。