奈良県大淀病院の妊婦死亡についてのメモ

2ちゃんねるやブログの議論を見る限り、大淀病院の産科医の判断は妥当なものだったようだ。
今のところ脳出血が単独なのか、子癇発作によって起きたものかも不明。小規模な町営の病院では転送しか打つ手がなかったようだ。
そもそも、亡くなった妊婦さんの症状はかなり難しいもので、どこの病院でも助けるのはほぼ無理だった模様。
むしろ、遺族のやり場のない感情が病院にぶつけられているような感じ。そこに、マスコミが便乗したような構図に見える。


関連リンク:
その日が来たか・・・
奈良事件に誤診はあるか
まだチャンスはあるのだろうか(以上3件、新小児科医のつぶやきさん)
転送拒否続き妊婦が死亡 分娩中に意識不明
18病院が受け入れ拒否(大淀病院妊婦死亡事案)
奈良事件
後からいろいろ(S.Y.’s Blog)
受けなかった病院のキモチ(S.Y.’s Blog)
産科医絶滅史
「マスコミたらい回し」とは?(その2) 奈良県で脳出血の産婦、緊急搬送先見つからず吹田の国立循環器センター搬送についての補足天漢日乗さん、現在その9まで)


この事件の報道を見ていると、毎日新聞の突出したネガティブキャンペーンが目に付く。
少なくともネット上で確認する限り、読売はほとんど関わらず、朝日は非難の記事もある一方で、下のような報道の仕方もしている。
毎日のサイトを確認したが、奈良県産婦人科医会の声明を掲載していないなど、一方的な非難が目に付く。正直、なんかウラの意図があって、ネガティブキャンペーンを張っているのではないかと疑いたくなる。
テレビは無視。もう最近、テレビに公共性を認める必要はないのではないかと思っている。


転送拒否続き妊婦が死亡 分娩中に意識不明:なぜ起きた 奈良妊婦19病院拒否、死亡

産科医不足は奈良県からの搬送を受け入れる大阪府も同じだ。奈良県立医大付属病院からの依頼を受け、大淀病院の妊婦の搬送先を探した大阪府立母子保健総合医療センターの末原則幸・産科部長は「母体に脳出血がある場合、NICU、脳外科、麻酔科、ICU、産科の五つがそろった病院でないと受け入れが難しい。そんな病院は大阪にも5、6カ所しかない」と指摘。その上で、「常勤の産科医が7、8人いて、夜勤も複数で担当でき、母体の異常に対応できる診療科もある病院を、医療圏ごとに作らないと、今回のようなケースは救えないだろう」と話した。

産婦人科医会「主治医にミスなし」 奈良・妊婦死亡
日本の医療について

ブログを始めて痛切に思うのは、これまで発言を封じられていた「現場」の人々が次々に情報発信を始めている中で、報道の自由を持つはずの自由主義社会ニッポンの大マスコミが、これまでどれほど情報弱者であり、これまでの報道なるものがいかに『大本営発表』に過ぎなかったか…がいやというほど見えてきたなあ、という感じです。


18病院が受け入れ拒否(大淀病院妊婦死亡事案)
こちらのサイトでは、コメント欄で盛んな議論が行われていて有益。
以下、ぞっとしたコメントを転載。
コメントno.157

奈良医大コメディカルの協力体制は最悪です。
夜間緊急入院などさせたらナースからつるしあげられます。
患者搬送から全ての雑用を一人で行うぐらいの覚悟が無いと夜間救急患者など到底受け入れられる体制ではありません。
医者だけが患者さんのために動いても激務の中、周囲からバッシングの嵐を受けるという凄まじい労働環境です。
緊急の採血や点滴、検査の搬送など、全て医師がドブネズミのように走り回って実施し、緊急オペもオペ場のナースに罵声を浴びせられながらもひたすら頭を床にこすりつけるようにしてお願いする有様です。
こんな病院で誰が重症の急患を受ける気になりますか??
超薄給で激務の奈良医大勤務医に周囲のバックアップも無い状況下で重症患者を受け入れろと強制するのはあまりにも酷です。
他科の病床であっても産科救急を原則受ける、などと発表するならば、働かない看護婦や技師達に、急患受け入れ時は全面的に医師に協力すると誓約書を書かせるべきです。
医師ばかりに負担を押し付ければ、ますます大学から医師が逃げるでしょう。医師ばかりいじめるのはいい加減止めて欲しい。

no.162

国公立大学病院ほど、救急医療に向いていないものはありません。
(私は奈良医大は直接知りませんが、公立大学病院を三施設廻った経験があります)

まず、看護師は、点滴、採血、検査、説明、処置、患者の搬送
はもちろん、それらの準備も手伝わないのが、デフォルトなのです。
民間病院の看護師が天使に見えるほど、本当に何も致しません。
このあたりの、事情は20年以上変わってない、知る人ぞ知る
悪弊(看護師公務員天国)になっています。

大学病院にはよっぽどのことがない限り関わらないようにしよう…
ガクガク(((( ;゚Д゚))))ブルブル


なぜ、警察が医療問題に介入するかについて
警察と医療過誤(情報元:駄犬日誌さん)

私の意見は単純なものである。彼らは新しい「天下り先」を開発しようとしているのだ。法律論的にも問題があるような介入事例を増やし、「こういうややこしい目に遭いたくなければ、自分らのOBを病院に受け入れろ」といいたいのだ。ストレートな天下りが世間的に認められにくくなったため、頭を絞った結果がこれなのだと思う。


私自身も経験したことでもあり、うわさ話レベルでも聞く話ながら、そう詳しいことは述べられないが、警察OBによる病院幹部ポストへの天下り要求は、既にあちこちでやんわりとした形で始まっている。

なんというか、ありそうな話だ。
キャリア官僚は、年金制度を整備してでも、再就職禁止にすべきではないかと思う。