秋道智彌『イルカとナマコと海人たち』読了



東南アジア・オセアニア地域の漁撈を生業とするが、社会の近代化の中でどう変化しているか、水産資源とのかかわりはどうなっているかを追求した論文集。
文化人類学者と漁業の専門家の研究のすり合わせを目指しているようだが、あまりうまく行っていない印象。第一部は文化人類学者、第二部は漁業専門家が執筆しているが、やはりずれがある様子。
第2章・第3章が個人的には面白かった。
どちらも地域はソロモン諸島。どちらも貨幣的に使用されるイルカの歯と貝貨を捕獲・製造する人びとを扱っている。貨幣経済の浸透と、それにもかかわらず残る文化的要素。