ここしばらくの読了本から一部

11月後半以降、30冊以上の本を読了しているが、読書ノートをつけていないので、遡ってつけていく予定。
以下、最近読んだものを中心に。

  • ミシェル・モラ・デュ・ジュルダン『ヨーロッパと海』

ヨーロッパと海 (叢書ヨーロッパ)

ヨーロッパと海 (叢書ヨーロッパ)



ずいぶん昔からの積読。新年になってからこれにかかりきりだったが、非常に読みにくて苦労した。出版後すぐに買って、10年近く積読になっていたのもむべなるかな。
ブローデルの『地中海』もそうだが、大量の事実の羅列から、構図を描き出そうとするスタイルは、話の流れを追いにくくて疲れる。よく知らない話もゾロゾロ出てくるし(特に古代)。
あと、多数の学者の名前が挙げられていたり、いろいろな情報が並んでるが、注がないので、どこで調べられるか追いにくいのも欠点のひとつ。たいていの出典はフランス語になるだろうから、注があっても、あまり意味がないだろうけど…(私はフランス語が読めません)
第一部は、ヨーロッパ周辺海域の通史。地中海とバルト海・北海の二つに分かれた海域世界が、中世後期以降の交流の中で、ひとつの海域世界を形成し、さらにはその外の世界に広がっていく状況が描かれる。個人的には、古い時代の北方の評価が低めなのが気になる。
第2部は、個別の主題。海を生業の舞台にする人々、景観、文化的側面が、それぞれ論じられる。

  • ジョーゼフ・キャンベル『神話の力』

神話の力

神話の力



一番古くからの積読のひとつ。高校生のころ買ってから、いままで手が出なかった。
一読して、これは神話学の本と言うより、宗教書だなという印象をもった。神秘主義思想を称揚する。でなければ、より良く生きるための指針の書か。
非常に同感しながら読んだが、彼の思想の世界ではオタクは生きていけそうにないな。通過儀礼によって強制的に大人になるとすれば、オタク的な趣味は大人にふさわしくないと排除されるだろうし。

クトゥルー神話ダークナビゲーション

クトゥルー神話ダークナビゲーション



再入門者用解説書としては、けっこう便利。大昔に読んだきりで、いろいろと忘れてしまっているな…
ブックガイドや用語解説、クトゥルー神話形成史あたりは、面白かった。
インタビューは、ほとんど読んでいない。デモンベインは、その内プレイする予定なので、現在情報封鎖中だし、知らない人ばっかりだし…

このライトノベルがすごい!2007

このライトノベルがすごい!2007



ランキングの分析は面白かった。しかし、もう完全に流行を追えない…

  • 『新世紀エンタメ白書2007』

新世紀エンタメ白書 2007 (毎日ムック)

新世紀エンタメ白書 2007 (毎日ムック)



ゲーム、まんが、ラノベ、アニメなどを、通観できるのは便利。
知らなかった作品を知ることができる点で、レビューも有益。
ただ、ラノベ関係のレビューは、個人的には、範囲が広すぎるような気もする(そのあたりのあいまいさも強みなのだが)。