書評:保坂幸博『日本の自然崇拝、西洋のアニミズム』(評者:宮崎哲也)2003/5/18

彼らはまず、自らの都合のよいように宗教と宗教ならざるものとを区画した。初期における最大のライバル、ギリシア思想を「哲学」として封じてしまったのだ。ギリシア思想の本来の宗教性を無視することで、キリスト教にとって脅威になる牙を抜き去ったのである。
そのやり口は、大航海時代以降、世界各地でキリスト教などの一神教ヘブライズムのかたちとはかけ離れた信仰形態を見出したときにも「適用」された。

彼等はそれらを原始的な信仰形態と決めつけた。現在の宗教学はこの枠組みから脱却できていない。

この一説が非常に面白いとおもったが、これは著者の言葉なのか、評者の言葉なのか、評者が著者の言葉を加工したのか分かりにくい。
読みたいとは思っている本。