レン・デイトン『電撃戦』

電撃戦 (新ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

電撃戦 (新ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

フランスで展開された電撃戦を、第一次世界大戦以降の塹壕突破の試み(特に浸透戦術)から説き起こした作品。著者がもともと小説家だけに、非常に面白く読めるのだが、どこまで信頼できるのかや「電撃戦」研究全体の中での位置が分かりにくい。
あと、翻訳サイドの問題として、注にあげられている文献を全部日本語訳してしまったのは問題だと思う。題目を日本語に訳すのは、一般書向けとして納得できるのだが、著者のスペルや原著の表題、出版年などが無くなっているおかげで、その文献を実際に探すのが難しくなっている。アルファベットでの表示も入れて欲しかった。