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空ノ鐘の響く惑星(ほし)で (11) (電撃文庫 (1286))
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空ノ鐘の響く惑星で―外伝‐tea party’s story‐ (電撃文庫)
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安心の渡瀬ブランド。楽しく読めた。順番に物語のフレームが広がっていくところなど全体を通して、かっちりとした構成が出来上がっている印象。
パンプキンかっこいいよパンプキン。あと、カシナートとイリスのツンデレぶりが…
外伝まで読んで、非常に満足した。満腹感があるというか。
あえて気になるところと言えば、背景世界が書割っぽいというか、えらく現代社会ぽいところか。舞踏会のドレスや特に男性の礼装が現代的なのがちょっと気になる。まあ、ヴィジュアル面を考えて意図的にやっているのだろうけど。短いズボンにタイツはいた男性がゾロゾロいたりしたら、アレだし(18世紀あたりの男性の礼装は笑える)。
アルセイフの内乱やタートムとの戦争などの戦争シーンもそうか。城というものは、大軍で攻めてもそうそう落ちるものではないのだが。
8巻のあとがきの一節がこのあたりの事情を象徴している。
実は調べるだけ調べて、あえて目を瞑った要素がかなりあります。
詳しく知りたい方には自身で調べてもらったほうがいいと、思うのですが、とにかく中世って凄い時代だったんだなあ――などと思うことしきりで。もし得た知識をそのまま、戦術や展開などの面で作品に生かそうと、ファンタジーというより明らかにバイオレンス&グロテスク&マニアックな方向にいってしまいそうで――でもそうなると、このシリーズとしての方向性からは乖離してしまうため、情報の取捨選択は意外と悩みどころだったりしました。特にお城の攻略法とか防御法とか……い、いや、それは確かに効果的だろうけど衛生的にどうよ、みたいなネタも多く。中世に生まれなくてほんとに良かったです。
馬の死体を投石器で投げ込んで疫病を流行らせるとか、敵兵の生首とか、糞尿とか、アレな話がたくさんあったのだろう。そうとう、生活の観念が違う世界だしな…