松川正樹『恐竜ハイウェー』

 恐竜の足跡の化石からなにが分かるかを解説した本。一般向けにも分かりやすい解説。ちょっと散漫な印象もなくはないか。
 骨格標本と違い、活動の情報や多数の個体が同時に残した情報を分析できるため、骨格の化石とは別の視点から恐竜と言う生物についての情報が得られる。また、産出している量が多いことも重要だそうだ。多数の足跡を記録し、統計的に処理することで、社会構造など骨格からは分かりにくいことが明らかになる。しかし、古い時代を明らかにすることは、人間社会の歴史を対象にした場合でもそうだが、非常に難しい。遺された情報が、断片的で、変質していることが多い。間接的な情報ばかりで、隔靴掻痒としか言いようのない。