三木理史『近・現代交通史調査ハンドブック』

近・現代 交通史調査ハンドブック

近・現代 交通史調査ハンドブック

題名どおり、明治以降の交通史の調査の解説。やや鉄道に解説が集中しすぎている感もあるが、非常に実用的な本。一冊持っていても損はなさそう(これは図書館で借りた)。
公文書、編纂物を中心とする刊行資料、統計書、地図・写真のそれぞれについて、目録などの参考文献、検索の方法などを解説している。近代的交通機関は中央集権的に運営されていることが多いので(特に鉄道)、中央の行政資料について詳しい。また、コラムで実際の著者の研究の事例を紹介し、その章で解説された史料の実際の使い方が例示されるのが素晴らしい。巻末の文献索引も本書の長所。本文中の紹介文献の中には、前掲の○○という紹介がされているものもあり、索引に気づく前はどこに掲載されたのかと思っていたが、これがあれば文献の情報も得やすいだろう。