川上稔『GENESISシリーズ:境界線上のホライゾン1』

 期待の新シリーズ。
 シリーズの最初のせいか、出だしは結構ぎこちない感じ。A4で780ページの設定資料を作ったそうで、逆にその設定が足かせになったのかもしれない。あと、のっけから登場人物が30人近くいるのも、説明的な感じを強くさせるのだろう。『終わりのクロニクル』では出だしでは主要登場人物が10人前後だったのと対照的。
 中盤以降は、だんだん物語りに釣り込まれていく。正純が動かしやすいキャラだからだろうか。読者に近い情報量で、かつ進路に迷っている人間という彼女がペースメーカになるのだろう。後半は、いきなりの大展開。続きがすぐ出るのはいいことだ。
 しかし、正純かわいいよ正純。