渡瀬草一郎『輪環の魔導師5:傀儡の城』

輪環の魔導師〈5〉傀儡の城 (電撃文庫)

輪環の魔導師〈5〉傀儡の城 (電撃文庫)

 安心して読める一冊。「六賢人派」のウラとか、ソリッドトーラスの製作者など、物語の背景の部分が見えてきた。この巻で、エルフール王国を舞台とした一連の話が終わる、まさにターニングポイント。そう言えば、フィノのヤンデレモードがほとんどなかったな。そもそもフィノ自身がほとんど出てこないけど。なにを仕掛けられたのだろうか。


 今まで気にしていなかったが、なんか聞いたことがあるような固有名詞がゾロゾロと出てくる。「鍛冶師の大槌(ルールーブ・フィスト)」とか「ハタニアスの豪風」とか、「白の籠守(パナンゾロン・スノウ)」とか。魔導具の名前に、「パラサイトムーン」の迷宮神群の名前がついている。ルールーブ・フィストが出てきた時点で気付いてしかるべきだったが… うかつ。
 つまりはパラサイトムーンと何らかのつながりがあるのだろうな。ただ「異界」にしては、人間が住んでいるしな…
他にも「クラムクラムの羅針盤」「マリアンヌの道具袋」「雷精の杖(ネムエルズ・ワンド)」がパラサイトムーンと関連しているのかな。
寄生月資料室