社会は「計算」できるか?

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 こういう研究ができれば、確かに面白そうだと思う。
 例えば人口の増減のシミュレーションが成熟すれば、そこから近代(16世紀以降あたり)の特異性、アメリカの植民地化の意義みたいなのが浮かび上がってくるかも。しかし、採集社会から農業の出現、都市の出現、遊牧民や漂海民のような移動生活者の出現を評価し、どうモデルに組み込むかというあたりがものすごく難しそう。うーん、12世紀あたりの状況をモデル化して、それと現実の差異を比較するあたりが無難なのかな… 生存のための物質的生活だけでなく、政治的統合が大きな意味を持つと思うが、そのあたりは数値モデル化できないだろう。
 ついでに言えば、モデルを組むための情報集めだけで死ぬること請け合い。バベルの塔を作ったのが悪いんじゃ。まあ、途中に書いてあるように無理というのが結論だと。


 それとは別に、この手のシミュレーション手法で社会を研究することが普及した時に、その研究成果がどんな風に(政治的に)利用されるのかが心配。
 凶悪なまでに不完全なモデルである古典的な市場モデルが、ここ1世代ほどの間、どれだけ猛威を振るったかを考えると。


「歴史のif」は許されるのではないか?
こちらもメモ。うーん、トピックス単位のIFはあまり意味のないような気が…
特に戦争なんて、畢竟数字の差が絶対だし。国力が劣る南部に勝ち目はなかっただろうと。