浦野聰・深津行徳編『人文資料学の現在1』

人文資料科学の現在〈1〉 (立教大学人文叢書)

人文資料科学の現在〈1〉 (立教大学人文叢書)

浦野聰「パピルス:アピオン家文書」目当てで借りた本。エジプトで発掘されたパピルス史料から、東ローマ帝国の中央貴族アピオン家の継承関係を追及している。研究の舞台裏も触れられていておもしろい。ここまで史料が断片的だとめんどくさそうだと、割と新しい時代を扱う人間としては思う。
他に新羅時代の石碑史料を扱った深津行徳「石碑:歴史ものがたりの背景」と小峯和明「琉球の文字資料」に目を通した。前者は同時代史料たる石碑の解読をもとに、後の記述史料が形成された背景を記している。後者は琉球の古琉球のひらがなや先島に残る写本など。「日本」と「中国」の間のグレーゾーン。