新型インフルエンザ雑感

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まあ、第二波の前に反省会をやっておくのは重要だと思う。
第一項のウイルスの理解モデルの話がおもしろい。単純な理解モデルの重要性。「早い段階で、「あれはただの粉だ」ということを周知していたら、状況は少し変わった気がする」という意見はなるほどとも思う。確かにこういう風に周知されていれば、陰湿な感染者叩きはもっとましになっていたかも。細胞に引っ付いてしまうとシャレにならないわけだが。


第三項目の責任者の問題。「現場はとにかく、「責任者の不在」に振り回された」というのは確かなのだろうな。危機管理では、権限と責任と情報を一人の人間に集約して、意思決定のスピードを早くすることが重要だが、日本の組織文化ではなかなかそれが難しい。このようなときの意思決定システムの問題は、それこそ阪神大震災のころから指摘されているわけだが…
アメリカでは危機管理はそれこそ、FEMAだのCDCだのなんだの、それ専任の組織があるわけだが、日本では存在しない。
ついでに言えば、ここでもアメリカ関係の知識はすぐに手に入るが、ヨーロッパ関係はよく分からないな。ヨーロッパでは災害とか感染症アウトブレイクはどう対応しているのだろうか。アメリカの単純明快なタスクフォーススタイルの権限委任とはどう違うのだろうか。


コメントの行政の「叩かれ癖」の指摘も興味深い。外野から見ていると、末端までの方針の周知とか、方向転換の意思決定で多少もたついた感がある。あとは、宣伝広報政策の失敗と言う側面かな。方針変更の過程で、首相か厚相あたりが「既定の方針です」ときっぱり言っていれば、印象は変ったように思う。