有薗正一郎他編『歴史地理調査ハンドブック』

歴史地理調査ハンドブック

歴史地理調査ハンドブック

題名のごとく、歴史地理学のハンドブック。利用する資料についての解説、実際の分析の紹介などについて書かれている。地名学など分野ごとにどのように分析が行なわれているか、逆に特定の類型の資料からどのような情報を読み取っているか。実践的に解説されていて、他分野の人間にとっても、有益。買おうと思いつつ、なかなかそこまで資金が回らないな、この本。
この本借りたのは、確かサミュエル・ピープスの日記を素材に使った研究が紹介されていた記憶があったからなのだが、見つからない。記憶違いか。索引が付いていれば、そのあたり楽なのだがなあ。探すついでに、結構読みふけってしまった。


稲田清一「清末江南における一郷居地主の生活空間:その範囲と構造に関する試論」『史学雑誌』99-2 1990
太平天国期の日記『柳兆薫日記』に出てくる地名を、本人と家族の活動に関わる地名、親戚・知人・友人の活動に関わる地名・会話の中で話題に上った地名の3種類に分けて集計したものだそうだ。他にも方法が応用できそうなのでメモ。