- 作者: 繁田信一
- 出版社/メーカー: 角川学芸出版
- 発売日: 2008/11/25
- メディア: 文庫
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当時の権力者である貴族たちが、どのような軍事力あるいは暴力装置を持っていたか。その一端は読みとれる。たびたび暴力沙汰を起こしている従者団こそが、平安貴族の基本的な軍事力だったのだろうな。当時の社会が自力救済の社会であったことが読みとれる。借金をめぐる紛争と暴力など。
また、貴人の邸宅の門前を牛車で通り抜けることが非礼であったこと、非礼に対しては邸の従者たちが投石をもって制裁していたこと。花山法王の僧形の従者たち。このあたり、網野善彦の飛礫や非農業民の議論とつながりそうだな。