鈴木直志『ヨーロッパの傭兵』

ヨーロッパの傭兵 (世界史リブレット)

ヨーロッパの傭兵 (世界史リブレット)

 リブレットのラスト。
 17世紀のヨーロッパにおける軍隊の変化。傭兵軍から常備軍に移り変わりを背景に、その時代の軍隊運営や傭兵の生活を描く。17世紀前半、30年戦争時代の傭兵軍のあり方。「中隊経営」などの軍事企業的な運営。兵士の社会的出自と多様性、信仰や俗信、略奪と給養など、兵士の生活のあり方。
 後半は、17世紀後半の常備軍の時代について。この時代に入っても、傭兵が重要な位置を占めていたこと、中隊経営の残存など旧来のシステムの延長であることが解説される。これが、本格的に変るのはフランス革命による国民軍の出現を待たなければならない。徴募コストの上昇、軍隊と都市社会のかかわりなど。
パパッと読める。