野島けんじ『鳥は鳥であるために』

鳥は鳥であるために (MF文庫J)

鳥は鳥であるために (MF文庫J)

 「受呪者」である主人公と一般人であるその妹菓が、5つの「呪」につかれ、感情を露にすると呪が暴走する少女小鳩の心を開いていくお話。プラス小鳩の兄探し。
 悪くはないと思うのだが、なんか読み進むのに時間がかかった本。感情を描いていく手際は安定しているが、逆にそこがブレーキになったかな。あと、構成のバランスが悪いような。菓が強引に小鳩の心を開いていく部分が長い一方で、兄探しの方はほとんど語られない。あげく、最後に倭が介入してくるところは、少々唐突過ぎの感が。
 悪くはないけれど、続きはどうしようかな。