宇佐美久美子『アフリカ史の意味』

アフリカ史の意味 (世界史リブレット)

アフリカ史の意味 (世界史リブレット)

 これも山川の世界史リブレットの一冊。アフリカ史の歴史記述の歩み。アフリカの歴史が、ヨーロッパ人によって奪われてきたという指摘。アフリカ史の研究に際して、ヨーロッパ人やアラブ人のような外部の記述だけではなく、現地の歴史記述や考古学的資料、伝承や言語などを利用した研究が必要であり、また歴史に関する概念・用語(例えば王国や帝国)の見直しの必要性などについて言及している。
 東南アジアなどでもそうだが、文書・記述の生産が限られた土地では、歴史研究の敷居が高いなと思う。研究者になるために必要な訓練の量が多いというか。より幅広い概念を身に着けなければならない。