田宮俊作『田宮模型の仕事』

田宮模型の仕事 (文春文庫)

田宮模型の仕事 (文春文庫)

 久しぶりの再読。まさにここに描かれていることが、日本のプラモデル史そのものだよなあ。
 木製模型からプラモデルへの転身、金型についての苦労と金型内製の話、実物取材へのこだわり、スロットカーから電動RC・ミニ四駆へといたる動く模型の流れ。特に金型の話は興味深い。1966年に金型部を作り、「社長の道楽」と冷やかされるほどの設備の充実。これは日本の模型業界のなかでは、どの程度のタイミングだったのか。また、他のメーカーでは、金型をどうやっているのか。そのあたりに興味がわいた。ハセガワやバンダイあたりでも、現在は金型を内製しているのだろうけど。
 あと、タミヤは俊作氏によって引っ張られてきたわけだけど、世代交代が難しそうだなと思った。