『あると』コンプリート

あると 初回限定版

あると 初回限定版

 やはりエロゲ一本クリアに半月近くかかるか。声なしにすればもっと早くなるのだろうけど。
 三度目の正直でクリア。小粒にまとまった作品。やはりなんか話の推進力に欠けるのが最大の欠点か。話そのものは、まあ深くもなく、あっさり風味で楽。沙織・恵と瑞穂・千歳の二組の三角関係があるので、深刻に描こうとすれば、いくらでもきつくできたと思うが、そのあたりはサラッと流した感じ。特に、恵と千歳は、あっさりと諦めすぎだと思う。というか、沙織と瑞穂のルートに無理があるというべきか。
 キャラの好感度では、沙織と翔子さんの年長組が評価高し。次に恵。特に沙織さんは、年上とかわいさが嫌味なく同居していてなかなか。プレイ前だと恵のほうに注目していたのだが、プレイ後の評価が上昇。プレイ前後とも変わらず印象が良かったのが翔子さん。外見子供だけれど、キッチリ年上、かつ実際には独立心旺盛なのがいい。しかし、いきなり寮を焼け出されて、主人公と同居という展開にはたまげた。あと、ヒロインみんな料理上手という設定は、少々くどい印象。一般的に飲食店業界はブラックのようだが、そちらに進む主人公は大丈夫かというのも気になるところ。
 この作品の最大のポイントは主人公の鈍感力。驚異的なレベル。まあ、周りの女の子がみんな主人公を好きという、これまた不自然な状況では、必要な素質なのかも。下手にそのあたりの機微に敏感だと、誰にも手を出せない、または某誠のような末路になりそうな感じだし。