東京都青少年健全育成条例改訂問題と表現規制についての情報リンク集(その4)

なかなか進まず。

性犯罪とポルノの因果関係:データとその解釈

  1. 「非実在青少年」規制:目に見える形で反論を提示する
  2. 「目に見える形で反論を提示する」:補足
  3. 児童ポルノ規制による性犯罪の増加
  4. お気に入り 山本弘に目に見える形で反論を提示する
  5. 性への締め付けが犯罪を誘発するとは限らない



 犯罪統計に依拠した議論をまとめた。
 山本弘氏のエントリを中心に、ポルノと犯罪の関係に関して。1と2は山本弘氏のブログ。改めて読み直してみると、山本氏の議論は結構巧妙だな。最初に数字のインパクト、アメリカのポルノ規制の話、で規制を推進する側も数字的な根拠を持ってないともってくることで、この規制の根拠のなさを印象付ける。ずいぶんインパクト重視、かつ犯罪統計のあてにならなさを分かっていて、そこの断定は避けている。4の批判は、その点では数字を釣り的に使うやり方を批判しているのだろう。ただ、この文章は、レトリック的に数字を利用することにより、規制を推進する審議会側の無根拠をあぶりだす方が主眼のように思える。そのあたりは、2の補足も参照。
 3はタイトルの通りの主張。大量のデータを集めているあたり、労力には頭が下がるけど、現状の警察の統計のあてにならない状況を考えると、判断は保留かな。全部読み終わっていないし。
 5は、ポルノ規制と性犯罪を安易に結びつけるべきでないと指摘している。
 現状、どうもポルノと犯罪には関係がないと考えるべきなのだろう。増やしもしないし、減らしもしない。山本エントリは、むしろ規制を推進する側が、「正しい性」や「正しい家庭」といった道徳的観点、というか保守的な価値観、を押し付けようとしているということを炙りだすエントリと解釈した方が良いだろう。
 山本は「暗き激怒の炎」(『妖魔夜行:暗き激怒の炎』ISBN:4044152101)という小説を書いているように、そういうことには理解と言うか、素朴に正義感がある人物であると思う。そのあたりは、知識のある人物ではないかな。つうか、この話はお勧め。

性犯罪とポルノの因果関係への言及

  1. 非実在青少年保護は、実在青少年の危機
  2. エロゲやAVには性犯罪抑止力があるか
  3. The nonentity youth
  4. ハシモト、おまえもか



 ポルノと性犯罪の関係についての論評。
 3の、

去来するのは、理不尽だなぁ、という思いです。最近のニュースでもわかるように、子供に対する一番の加害者は、親その人なわけです。実の親による虐待が一番多い。児童ポルノと呼ばれるものが子供への犯罪に結びついているというデータはないのです。

には、全く同感。殺人や強姦といった犯罪は、基本的には内にあるもの。外を規制しても、意味がない。そのあたり、強盗や窃盗とは、カテゴリーが違う。