小5 有害図書に接触20%

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 これだけ接触しているから、もっと規制をという論調だが、「有害情報」とはどのようなものか、それの影響力はという議論がないのは話にならない。8割がたブロックできているのなら、それなりに機能しているとも言えるしな。
 PTAの調査だけに、どれだけバイアスがかかっているか気になったので、元の調査を探してみた。たぶん、これ。
子どもとメディアに関する意識調査(2006年度版)


 全然駄目だな、この調査。

あなたは、次のような本や雑誌、ソフト(CD-ROM等)を見かけたこと、手に取ったことがありますか。

 この設問は、無茶苦茶だろう。「見かけたこと」と「手に取ったこと」では、ずいぶん差がある。というか、「見かけたこと」が接触したうちにはいるのかね。しかも、ジャンルごとに、接触の仕方にずいぶん差が出るのではないか。そのあたりを無神経に処理しているように見える。
 あと、「有害な情報」の定義もずいぶん曖昧。回答者それぞれで、そうとう感度に違いが現れるのではないか。
 少なくとも、「有害図書」に関連する限り、この調査は使い物にならないと思う。


 しかし、仔細に見ていくとなかなか面白い。アダルトメディアへの接触に関しては、「ゲームの利用頻度と利用方法」、「購読マンガの内容」が興味深い。
 ゲームに関連しては、問い12の「ゲームの利用頻度」で、「大人向けのアダルトゲーム」の利用頻度の質問がある。

学年よく遊ぶ時々遊ぶ数回遊んだ遊んだことはない無回答
小学5年1.01.53.982.111.4
中学2年1.30.71.889.36.8
と概ね、ゾーニングは機能しているといっていいと思う。ただ、この調査の信憑性を疑わせる結果でもあるのだが、次の「ゲームの利用方法」の結果を見ると、
学年ゲーム機器パソコン携帯用ゲーム機オンラインゲーム携帯電話・PHS利用しない無回答
小学5年41.516.26.93.81.512.320.8
中学2年29.338.79.310.74.014.710.7
とある。が、ゲーム機器でできるアダルトゲームなんかあるのか? ここの部分は、全体に回答がいい加減のようだが、アダルトゲームの範囲が拡大して解釈されている可能性も高いと感じる。
 続いて、「購読マンガの内容」に関して。レディコミが小5で2.9%、中2で6.4%。アダルトコミックが小5で1.2%、中2で5.1%ととなっていて、こちらもそれなりにゾーニングは機能していそうに思う。これをゼロにするのは法外なコストがかかりそうだし。


平成20年度マスメディアに関するアンケート調査も興味深い。なんというか、誘導色が強すぎないか? 保護者向けの問い15あたり。


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資料DATA PTA全国評議会の調査結果の公開ページ