戦時標準船入門―戦時中に急造された勝利のための量産船 (光人社NF文庫)
- 作者: 大内建二
- 出版社/メーカー: 光人社
- 発売日: 2010/06/30
- メディア: 文庫
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平時標準船から、第一次、第二次の戦時標準船の解説。特に、無理やり簡易化しまくった第二次戦時標準船の悲惨さ。建造した造船所の話。具体例による戦時標準船の戦い。いや、大戦中の日本の商船と言えば、聞くも涙語るも涙、もう悲惨としか言いようがない。特に負けが込んでた昭和19年以降はな。商船の船員の死亡率は、軍人より高かったというし。戦時標準型の機帆船の話が興味深い。ビルマやフィリピンでの活躍と敗北。
ラストの1/3ほどが、イギリスとアメリカの戦時標準船の話。アメリカの物量と量産能力に溜息。あと、イギリスはあまり量産に特化しない、平時標準船的な船を造ったという話。なんだか、イギリスはアレだなとか思っていたら、それでも日本の倍以上作ってるあたりが泣ける。腐っても鯛というか…
基本的な入門書としては最適と言っていいだろう。