宮本又郎・阿部武司編『日本経営史2:経営革新と工業化』

経営革新と工業化 (日本経営史 2)

経営革新と工業化 (日本経営史 2)

 「自転車産業の生成」のネタからだんだんと深入りして行っている状況。なんか、日本の工業化の特色とか、問屋制工業生産とかそんな話につながりつつあり。しかし、明治から大正あたりの中小企業による生産活動って、史料が少ないな。同時代の統計とか名鑑の類以上の情報で、簡単に手に入るものというのが思いつかない。しかし、近代デジタルライブラリー便利すぎ。あれで、インターフェイスがよければ言うことないのだが…
 あと、経営史というのが、何を目指しているのかがよく分らない。経済史とどう違うのか。どうも、「企業者」あるいは担い手に視点を置いているらしいようだが、よく分らん。
 内容については、「講座」の類としては標準的なものかな。様々なトピックについて言及されているが、まるっきりの素人にはいまいちよく分からないみたいな。ちょっと、問題意識が違いすぎて、引っかかるものなし。近代的な企業よりも、問屋あるいは「在来的」な要素への興味が強いし。