- 作者: 中村哲
- 出版社/メーカー: 日本評論社
- 発売日: 2005/04
- メディア: 単行本
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谷本雅之「戦間期日本の都市小工業」にかんして。この論文は、1935、6年の『東京市小工業調査』と『東京市問屋制小工業調査』を主な素材として、都市の小工業を俯瞰している。取引先、収益性、再生産構造などが検討されている。この史料をもとにする限り、取引先としての問屋の位置が小さいというのは、興味深い結果。知り合い間での取引関係が大きかったのだろうか。このあたりの細かいディテールが見えてこないのが、統計情報を利用の限界だよなあ。あと、当時の工業の地域的分布の差、城南地区が機械工業、城東地区が雑工業・化学工業と地理的に分化しているという指摘がおもしろい。
文献メモ:板倉勝高・井出策夫・竹内淳彦『大都市零細工業の構造』新評論、1973