『ノルマン騎士の地中海興亡史』山辺 規子(白水社)

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ノルマン騎士の地中海興亡史 (白水uブックス)

ノルマン騎士の地中海興亡史 (白水uブックス)

 この本は面白いのでお勧め。一般の読者にも結構分かりやすいのではないか。私はハードカバーのを持っているが、今度は新書版(?)で、より手に取りやすく。
 中世前半、特に11世紀あたりの南イタリアはなかなか面白い。アラブ、ビザンツ、ランゴバルト系の諸勢力が存在したが、それぞれこの時代には衰え気味で無政府状態。その間隙をついて、ノルマン人騎士が傭兵として活躍。結局はこの地域を統一してしまう。しかも、ローマ教皇神聖ローマ帝国などとの角逐など複雑な国際情勢も見逃せない。また、中世のシチリア王国は、先駆的な官僚制でも注目される。
 中世シチリア王国関連の和書では、他に高山博の一連の著作がある。この人はシチリア王国の官僚制の分析で名をはせた人。ラテン語にアラブ語にギリシア語と古典語を三つも読めるというのは羨ましい話だ。
『中世シチリア王国
中世シチリア王国 (講談社現代新書)

中世シチリア王国 (講談社現代新書)

『神秘の中世王国』『中世地中海世界シチリア王国
中世地中海世界とシチリア王国

中世地中海世界とシチリア王国