「地圖」が語る日本の歴史―大東亜戦争終結前後の測量・地図史秘話
- 作者: 菊地正浩
- 出版社/メーカー: 暁印書館
- 発売日: 2007/06
- メディア: 単行本
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基本的には、ポツダム宣言受諾後、渡辺参謀による参謀本部の陸地測量部を内務省の地理研究所に変更とそれによるGHQによる資料没収の阻止。調査団をだまくらかしたエピソード。それに、戦中に国家統制に伴って行われた民間地図業者の合併、「日本統制地図」から「日本地図」への動きとその戦後の活動(戦災マップの作成)の話。この2テーマが中核。あとは、松代大本営とか三角点とか。
やはり前半の渡辺参謀の深慮遠望が印象的。
この時の資料を秘匿しておき、後に、「大東亜戦争史」を世に出した。従って史実書としては信憑性の高いものと評価されている。渡辺氏によると、服部大佐もまた立派な人物であったという。p.63
服部卓四郎の話。「大東亜戦争史」って、割り引いて考えるべき本だって話だけど…
あと、そりゃひとかどの人物じゃないと国家の中枢にはいられないだろう。しかし、身近でみてどんな立派でも歴史のアクターとしてペケだろう、この御仁。