上野和彦『地場産業産地の革新』

地場産業産地の革新

地場産業産地の革新

 地場産業研究の整理とグローバル競争時代の地場産業がどのような状況か、それにどのように対処するかの分析。産地によっては、細かいネットワークの構造なども言及されていて興味深い。ただ、現状私の興味は大都市の中小工業だから、その点で農村工業を主な対象にする本書とは興味の対象がずれる。方法論などでは参考になりそう。あと、巻末に大量の参考文献が紹介されているのもポイント高し。


文献メモ:
出石邦保『京都染織業の研究』ミネルヴァ書房、1972
伊丹敬三・松島茂橘川武郎編『産業集積の本質』有斐閣、1997
井出策夫編著『産業集積の地域研究』大明堂、2002
伊藤喜栄「工業地域形成と産業集積の二、三の問題:新経済地理学とウェーバー集積論」『人文学研究所報』33、2000
上野和彦編『地域研究法:経済地理入門』大明堂、1990
上野和彦・高橋日出男編『日本の諸地域を調べる』古今書院、2007
大澤勝文「流通機能からみた東大阪産業集積の革新性」『経済地理学年報』51-4、2005
小田宏信「燕・三条地区における金型産業の発展」『地域調査報告(筑波大)』15、1993
金井年「八尾ブラシ産業の近年における変容」『経済地理学年報』30-4、1984
佐藤芳雄編『巨大都市の零細工業』日本経済評論社、1981