- 作者: 大場ひろみ
- 出版社/メーカー: バジリコ
- 発売日: 2009/12/04
- メディア: 単行本
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飴売りや紙芝居屋との密接な関連、役者からの転向が結構多い、落語との関連、サーカス凋落後、楽士がたくさん流入した話など、芸能・興行との密接な関連がうかがわれる。あとは、パチンコ屋がお得意様という話。高度成長とともに衰退していくが、昭和天皇の死後の自粛がとどめを刺したという話。新しい世代がジャズを中心とするミュージシャンあたりから供給されているという。いろいろと興味深い情報がある。
―――その後、仕事のほうは。
澄子 昭和四〇年代だね、仕事が少なくなったのは。テレビよりも、交通でしょう。都電がなくなってから仕事が少なくなったよ。
五郎八 都電が走ってるころは、そんなにクルマ通らないじゃない。
澄子 みんな、なくなっちゃった。
p.197
確かに道路利用の変化というのは、大きなダメージだったのかもな。この本の中の写真を見ていても、交差点で踊ってたりするし。
戦後も、この長屋の状況は驚くべきことにさして変化がない。親方たちはちんどん屋のかたわら飴を売り、紙芝居をやり、おでんを売り、あるいは箱屋に勤めたりして生活している。また、近所の芸事好きの職人や商人がヒマなときにちんどん屋を手伝いに来るという関係は、長屋が取り壊され、彼らの多くが都営住宅へ入居するようになる昭和四〇年ころまで続く。p.310
ここでは、居住環境の変化。