「米国化」する政治学に異議唱える 菅原琢・東大准教授

http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY201005060126.html 少々前の記事だが。
 このトピックでの中核的な論点は、若手は競争を強いられるようになっているのに、年長者は競争を回避して既得権益に胡坐をかいているという問題。実際、日本の「改革」ってこんなのばっかだな。


 この「アメリカ化」にはもう一つ問題があるように思う。アメリカでは計量分析を重視するが、理念なき計量的手法は、結局のところ権力の道具に堕してしまうのではないか。実際、アメリカの政治の世界を見ていると、特権階級が利用する技術にしか見えないし。目の前の現象の解明を越えて、何を目指すのかがないと、政治学の名が泣くのではないかと感じる。まあ、そういうのは政治哲学の仕事なのかもしれないけど。
 社会科学が実用的機能を持っていない日本社会では、当面、顕在化しない問題だとは思うけど。


関連:「『アメリカ化』する政治学」に関する朝日新聞の記事について(菅原研究室紀要)