テリー・イーグルトン「宗教とは何か」

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 うーん。
 不完全な人間がやることなんて、突き詰めていけば善が悪となり、悪が善となってしまう、そんな頼りない営みなんだよなあ。同時に、信仰がもたらすデモーニッシュな力の魅力。難しいものだ。
 アメリカ社会が「啓蒙思想」の洗礼をうけていない社会というのは確かだと思う。が、アメリカが「啓蒙」されたとして、次はイスラムやアフリカの人々とどう向き合うか。「啓蒙」された側とて、非合理とは無縁なわけではないし。

しかし科学のいとなみは「静的」なのである。そこにはダイナミックなものがない。本当にひとを動かすのはダイナミックなものだけなのだ、というのがイーグルトンのいいたいことなのではなのである(「科学と神学のちがいは、・・あなたが世界を贈り物としてみるかどうかにかかっている。」「信仰とは・・参加と連帯の問題である―それは、自分がとらわれている恐るべき状況に変化をもたらすものにたいする信仰であって・・暗黒と苦痛と困惑のなかで身動きがとれないながらも・・すべてを変容させる愛の約束をどこまでも信じつづけること・・なのである」)。

 科学は科学でダイナミックだと思うけど… 信仰に対する意見は同意かな。