五味文彦『日本の中世を歩く:遺跡を訪ね、史料を読む』

日本の中世を歩く―遺跡を訪ね、史料を読む (岩波新書)

日本の中世を歩く―遺跡を訪ね、史料を読む (岩波新書)

 実際に遺跡に行き、それに関連する史料から時代や場の特色を解説する。東大出版会のPR誌『UP』に連載されたものをまとめたそうで、それだけに一編あたりの量が少なく、微妙に食い足りない気もする。
 時代ごとに大まかに分けられていて、採り上げた歴史の場の性格、さらに史料の読み方など、コンパクトながらきっちりと解説されていて興味深い。寺社の縁起類や由緒書の話などは興味深い。平等院の変遷と、そこがどのように見られていたかの話がおもしろかった。