瀬尾つかさ『放課後ランダムダンジョン』

放課後ランダムダンジョン (一迅社文庫 せ 1-5)

放課後ランダムダンジョン (一迅社文庫 せ 1-5)

 相変わらず、サクサクと読める。
 先二冊の「ゲートワールド」シリーズとは、背景世界が違う。が、ダンジョンの情景は、それに近い印象か。こういう世界に思い入れがあるのかな。あと、この著者が一迅社文庫で出した本は、どれも後半がぶつ切りなのはなんでだろうか。あらかじめシリーズ化の余地を封じられている感じで残念。
 本書は、「ゲート」によって異世界がつながり、それぞれに性質の違う魔術が存在する。この設定は、ぱっと見、長谷敏司の『円環少女』に近いアイデアだなと思った。また、それぞれの魔術体系には元ネタがあるそうだが、それについてはよく分からない。「アーネイ界」の筋肉魔術は『よくわかる現代魔法』からかな? 遣い手の印象が全然異なるから、思い出すのに苦労したが。