経済学は何であって何でないか

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 逆だよ。

さて、とは言うものの世の中の非合理性がひどすぎて、経済学の理論が現実とはかけ離れすぎるならば(すなわち、アルゴリズムの適用範囲が狭すぎるならば)、批判されても仕方ないかもしれない。そこで、経済学の理論が現実にどれほど近いか、という実例を挙げたい。多くの人が予想する結論とは裏腹に「需要と供給の法則」は実際の人間を使った実験でも大変うまく動作するのである。

経済学には雑音が多すぎる(その雑音が経済学者自身からもたらされることも多々ある)。だが、経済学という学問の持つ知見が、経済問題に対し人類が持ち得る最善なものであることは疑いない。否定することに力を傾けるよりも、活用することに力を傾けるべきであると思うがいかがだろうか。

 需要と供給の法則は、自己の生存や威信などから離れた場所でしか存在し得ない。「雑音」こそが、社会の本質ということだ。生存を脅かされれば、何らかの形で土俵やルールをひっくり返そうと試みる。
 需要と供給の法則というのが、バーチャルな理念型であり、イデオロギーでしかない。経済学とは「合理」というイデオロギーを社会に押し付けようとした「運動」に過ぎない。
 需要と供給の法則そのものはわりあい強力なルールではあるが、そのルールはいくつかのルールの一つに過ぎないし、ゲームの場も幾重にも重なって容易に分析できない。その中から一つのルールを抽出して、なんでもかんでも適用しようとするから、おかしなことになる。