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ガンズ『都市の村人たち : イタリア系アメリカ人の階級文化と都市再開発』とジェイコブズ『アメリカ大都市の生と死』の比較の議論。どちらも近いうちに読まないとな…
似ているようで違うガンズさんは、ジェイコブスさんの仕事の重要性を認めながらも、いくつかの留保をつけている。
ひとつは、ジェイコブスさんはあまりにデザインの問題に集中しすぎていて、大きな問題を見落としてしまっているのじゃないか、ということ。
もう一つは、ジェイコブスさんの言う事って、つっこんでみると、ミドルクラスによる、下町コミュニティや古い建築へのノスタルジーに過ぎないんじゃないか、ということ。
ストリートも生活に含んだ旧来からの都市生活とプライバシーを重視し活動範囲が広がったミドルクラスの生活スタイルの違い。その結果、ミドルクラスは、均質性を重視して郊外へ出ていく。ミドルクラスのノスタルジー批判。
Togetter - 「城繁幸@joshigeyuki氏の語る、こんな『有縁社会』はいやだ!・・・リアルひぐらしシリーズ」に通じる話題か。日本でも同様の問題が存在する。近代化に伴う生活感覚の変化と言うのが大きいのだろう。ヴェネツィアでは、ストリートを通じた社会生活が生きている一方で、若い世代の流出という問題はあるみたいだし、都市生活の伝統が長いところでも、同様の問題は存在するのだろう。ただ、特にアメリカの都市生活の伝統の浅さみたいなのも感じる。
しかし、このまとめを読んでいると半ば同感で、半ばむかつくな。
金があって、各種のサービスを十分に購入できるなら、無縁社会も悪くないかもしれない。しかし、体は利かなくなる、病気で動けなくなったら誰も助けてくれないというのは恐怖だと思うがね。今はいいかもしれないが。結局のところ、ここで言明されているような考え方は金と健康を持っている人間の想像力の欠如なんじゃないのか。病気でかつ家族がいないといった状況になれば、ものすごい心細いと思う。特に、いまや経済的格差が家族形成にダイレクトにつながっている。困窮した一人身の人間、かつ病気という三重苦にある人間がぞろぞろ出てくるのが問題なんだが。
まあ、いいとこどりが出来ればそれが一番いいのだけれど。世の中そううまくいかないんだろう。
しかし、
一度不祥事起こすと村八分。疎外なんてものは、流動的な都市部ではなく、閉鎖的なムラ社会にこそ存在する。 @yuta36 :城さんがお考えの有縁社会の怖さとは、情報共有されることだけなのですか?お答えいただけたら幸いです。
http://twitter.com/joshigeyuki/status/37714179662024704
まで言っちゃうとさすがにアレだ。都市には都市の疎外の形態がある。単純に身の回りしか見ていないだけなんちゃうかと疑いを抱く。