「無縁社会」という空体語と「社会」や「自由」という翻訳語について

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 興味深い指摘。歴史的な用語の「無縁」と現在使われる「無縁社会」という用語のズレ。翻訳語を始め、意味の重層性が欠けていることの問題。
 「無縁」と「無縁社会」という後は、裏腹な関係にはあるように思うが。「(新しい縁を組むために)無縁(まっさら)にしたもの」で、新たな縁を結ぶ回路が閉ざされている状況が、閉塞的な現状であるわけで、繋がらなくはないのではないだろうか。このあたり、「無縁」という語の用法に無知なので、的外れかもしれないが。
 あと、さらっと「万能文化猫娘」なんて単語が紛れ込んでいるのだがw

「日本語は意味の重層性がないから新しい意味をつけ放題だ」みたいなこと言ってた。これはそのまま先のエントリにおける鶴見俊輔の問題意識にも通じる。彼の世代の場合は「それまでシロと言わされていたものをクロといわされるようになった」終戦時の実体験だったのだろうけど。